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音楽と旅と生活-埼玉県港湾公社

Contemporary Sapporo Cruise

日本縦断旅もいよいよ旅立ちと言ったところなんですが、その前に昨年11月13日~15日の札幌旅のまとめをここで公開します。

毎度旅に出る度に企画名というか、旅のテーマになるような名前をつけて己の気分を高めているんですが、この旅の名前は名付けて!

《Contemporary Sapporo Cruise 》

イェーイ!!!

 

ご存知の方はご存じだと思いますが、ceroというバンドのワンマンライブ札幌編のタイトルをそのまま拝借です。

どうして札幌まで足を延ばしたのかというと、ceroと「Contemporary Tokyo Cruise」という曲が大好きというのはもちろん、それに足して昨年9月開催のContemporaryシリーズ京都編参加が都合により叶わず悔しい思いをし、「次はどこで開催だろうと行く!」と固く心に決めた結果の北海道遠征です。

北海道なんて子供のころ両親に連れられさっぽろ雪まつりを観に行った朧げな記憶しかないので、ほぼ人生初北海道と言っても過言ではないのでは。

 


「cero」Contemporary Tokyo Cruise - YouTube

件の名曲。聴いて!お願いだから!!

 

そんな旅に引っ掛けてなんとフェリーで札幌まで行ってきました、写真ばかりですが旅の記録をお楽しみください。

 

 

今回の旅の往路はこれを使って行きます、「パシフィックストーリー」。

フェリー&高速バスのお得な連絡きっぷ - 商船三井フェリー

 東京駅から札幌駅まで、バス、バス、フェリー、バスと乗り継ぎお値段9,990円。もうロマン、溢れんばかりのロマンしかない。しかも往路の時点でフェリーで1泊しちゃうという愛すべきのんびり感。乗らないわけないじゃないか!

 

 

というわけで11月13日の昼、自宅を出発して東京駅へ。まずはハイウェイバス窓口でパシフィックストーリーの切符を購入。水戸駅行き高速バスに乗り、そこから路線バスで大洗港へ向かい、フェリーターミナルから苫小牧行のフェリーへ乗船します。

昼食をマックで手配しバス停留所へ。この時点からわくわくがとまらない!

 

・・・はずが。

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なぜ常磐線に乗っているのか

まさにバスに乗らんとしたその時、運転手さんから水戸駅へ向かう高速が事故渋滞でフェリーの出航までに間にあわない、と宣告。ど、どうしろと!

あわててバス窓口に泣きついても払い戻しはできないと言わてしまい...。涙目で電車でも間に合うか聞いたところ特急なら、ということで常磐線に飛び乗ったんである。(実際には飛び乗ってないよ!)

 

気を取り直してのどかな車窓を眺めていたら水戸駅に到着。間に合いそうです。

ここから路線バスで大洗フェリーターミナルへ。途中ひたちなか海浜公園という標識が見えてひとり「ロッキンだ!ロッキンだ!」と浮かれる私。大洗は大洗でガールズ&パンツァーでじんわり盛り上がってました。

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ターミナル到着時ですでにこの日没っぷり

 

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乗用車と比べて頂ければ大きさがわかるかと!

こちらが今回私を苫小牧まで運んでくれる夢の乗り物「さんふらわあ ふらの」。今年7月に火災があった「さんふらわあ だいせつ」とは別の船ですが航路は同じかと。 ニュースを聞いた時は本当に驚きましたが船旅はロマンなのでぜひまた乗りたい!

 

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いい写真が撮れたので載せます

 

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ターミナル内へ

乗船手続きをして徒歩の人の乗船時間まで待機。見た感じ徒歩での乗客は10組くらい...? 閑散期だからか、そもそも北海道へ渡る手段としてフェリーはアウトローなのか。

 

そしていよいよ乗船。わー!!!

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あの細長いところ(名前が分からない)を通って乗船

船内に一歩足を踏み入れるといきなりエスカレーターが。

す、すげぇ!船って中にエスカレーター作れるんだ!!!

序盤からフェリーへの期待高まりまくり。エントランスも、おぉ、ちょっと古いホテルのようだ。というかフェリーの船内ってどことなく一昔前感が漂ってて、それはそれでいい感じ。

 

コインロッカーに荷物を預けて、とりあえず指定された客席へ。パシフィックストーリーについている乗船券は2等客室のもので、金額をプラスすれば上の客室に変更もできるのですがやっぱり雑魚寝こそフェリーの王道な気がするので変更なしの2等で。やっぱりお客さんが少ないのか、小学校の教室2つ分ほどの雑魚寝部屋に私とお姉さんと老夫婦と孫&お祖母ちゃん(?)の4組だけ。のびのび寝られそう。

 

そして18:30、いよいよ待ちに待った出航。

デッキに出ます。さ、寒い!  

(BGMはぜひ「Contemporary Tokyo Cruise」で)

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大洗の町が

 

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どんどん

 

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遠くへ

序盤からセンチメンタル。

 

デッキではいよいよ寒くなってきたので夕食まで船内をうろつく私。

船の中にゲームコーナーとかミニシアターとか、もちろんお風呂もあるんやで! 

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舟を編む」だ!

見たかったんですけど次の日見事に船酔いになり(酔い止めを飲むのが一歩遅かったのと海が荒れてたのが原因)見れずじまいでした。や、でも体調良かったら良かったでデッキで音楽聴いたりしてて観てなかったかも。

 

その後券売機で食券を買い(夕食と昼食のセット券があったのでそれで)ディナーへ。船の上では夕食もディナーになるのだ。

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今見ると貧相な盛り付けだ

ビュッフェ形式でした。レストランで1人で食べてる私はどう見ても浮いていたかと...(他は夫婦とかカップルとか)

衝立で仕切られた向こう側もレストランのようだけど、どうやらトラックの運ちゃん専用のようです。

 

再びデッキへ。

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我ながらかっこいい写真が撮れた

11月の走る船のデッキの上、しかも夜で周りは海だから当然と言えば当然ですがクッソ寒い。「命の危険」という言葉が頭をよぎる。海風が顔にぶち当たるという表現が正しい。痛い。

この時期におうし座流星群が見られるということで出てきたんだけど寒さでそこまで意識が回らない...。でも船の上で星が見れる機会なんてそんなにないし周りが真っ暗だからよく見えるなんて言われたら見たくなるのが人の性だよ...。

なんとか物陰に隠れて風をしのいで完全防備の天体観測できました。くそ寒いけど本当に星がきれいなんですよね・・・!肝心の流星群はというとそれらしいものは見えた気がする。いや、見えた!(こういうのは言い切りが大事って誰かが言っていた)

 

その後は船内に戻って船酔いもなくぐっすり就寝。

そういえば2等客室にはコンセントがないのでこの時に超大容量のモバイルバッテリーを買ったんですがこいつは日本縦断でも大活躍します。 

 

 

 翌朝。

朝日を拝むために早起きしてまたデッキへ。

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お月さん

朝だろうと相変わらずの寒さ。視界が悪くないだけまだマシかな?

ご来光を狙おうと他にも3人ぐらいデッキへ出ていました。

 

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どんより

こ、これはむずかしいかなー...

分厚い雲が水平線に。でも待てば見れるのでは?

 

 

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オッ、ほら

きたきた!

 

 

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じゃーん!

ご来光!めでてえめでてえ!寒い中30分ねばったかいがあるってもんだぜ!

 

もう体の芯まで冷え切ったので朝風呂としゃれこみます。その前に酔い止め飲まなかったのが敗因...。波と一緒に湯船のお湯も波立つんですよ、新感覚。そして船酔い。

グロッキーな状態でこりゃもう無理だと判断しその後は入港直前まで横になってました。

 

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窓についてるのは塩の結晶

気が付けばもう苫小牧の街!気分も良くなっていたので最後にデッキに出てはしゃぐ。

 

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もうちょいもうちょい

お昼過ぎについに北海道上陸!みそいちの足がついに北の大地を踏みしめる!!!(大げさ)

実際踏みしめたのは下船用の通路なんですけどね。 

 

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さらばさんふらわあ

 

急ぎで昼食を買って札幌行きのバスへ。車窓から見える苫小牧の街は、なんというかさすがでっかいどう、家と家の間の隙間が広い気がする。あと中央線って標識は本当にあるんだね。

札幌に近づくにつれてばんばん雪が降ってきます。普通のスニーカーで来ちゃったけど大丈夫かしら。

 

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見よ!この銀世界!(ライブ後に撮った写真だから真っ暗)

札幌に着いたら宿にチェックイン、ライブに備えるのだ。

 

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こちらのライブでございます

うぉーーー!いまこの写真見ただけでもテンション上がる!!!たまらん!!!!!

最高の夜でした!船でここまできたっていう思いも大きいんでしょうけど、ceroの演奏も大変素晴らしかった。

私はいつも「Contemporary Tokyo Cruise」の、イントロのあの「タン、タン、タタン」ってドラムが聞こえるとそれだけでもう素敵な予感がして鳥肌が立ってしまいます。歌詞の意味とか全部飛び越えて身体が反応して嬉しくて嬉しくてたまらなくなってしまう音楽。

札幌の街は寒いけど、その分暖かさが身に染みる、そんな良い時間でした。

 

しかも!なんと!終演後希望者にceroの高城さんと橋本さんがサインをしてくださったのだ!あらぴーはいなかった!笑

好みドツボのTシャツを買ったんですが、それにサインしていただきました。宝!!!

 

ライブ後はホットペッパーのクーポンを使うべく下調べしておいたジンギスカンの店へ。しかし居酒屋初心者、地元民でもない私には思った以上に入りずらい...。普通の地元の飲み屋って感じ。

勇気を奮い立たせて暖簾をくぐりカウンター席へ。

ビールと頼みすぎた肉を慣れない手つきで焼いていたら常連さんらしきお姉さんに話しかけてもらい最終的にceroを聴いてもらって「結構好きかも」って言ってもらいました。1人で居酒屋なんていかないから緊張したけど暖かかった、北海道は暖かい。

「その格好で寒くないの?笑」とお姉さんに言われちゃいましたが秋物のコートでホテルまで戻りました。ご、極寒・・・!

そういう諸々も含め、やっぱり最高の夜でした。

 

 

 

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翌日

夕方の飛行機で成田へ帰るので夕方まで自由。

さてどうしようかしらんと考えたのですが、案外札幌と小樽が近いということが判明したので都市間バスを利用し行ってみることに。名前だけ聞いたことあって具体的な街のイメージは知らなかったけれど運河があるみたいですね(ざっくり)

 

1時間ほど走ると海が見えてきました。北の海だー!

そして小樽駅に到着。有名な割に意外と駅小さいな...という印象。荷物をコインロッカーに入れて散策開始! 

 

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十数種類の中からお好みで具を選べる!

まずは小樽駅出てすぐ左の三角市場で腹ごしらえ。市場の雰囲気大好きなんだよね、お店の人の目線が気になって写真撮れなかったけど。

丼もおいしかったけど提供までに出されたホタテのヒモ?が美味しかったです。 

 

小樽運河までは徒歩で15分くらい。向かおうとしたら路上にこんなものが。

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一瞬で心奪われる

運河へ向かう道に横たわるように線路が。廃線跡

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廃線跡

どうやら手宮線という貨物線の跡らしいです。

手宮線 - Wikipedia

綺麗に保存されてるし出入りも自由でいい感じだけどあとでしっかり探検するとしてまずは運河を見よう。

 

そして・・・

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運河だー!!!

こうしてみると外国のようですね。

運河も良かったんですが個人的にはこちらの方がグッときました。運河はたぶん、恋人とかと訪れたらグッとくるんでしょうね...(遠い目)

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こちら

運河の向かいにある出抜小路。こう、後付けで盛り上げた感バリバリの横丁だけどそれでも釣られてしまうのさ...。

 

そしてえっちらおっちら徒歩で移動、幸愛硝子さんのギャラリーへ。

www.yukieglass.net

右を向いても左を向いてもキラキラで夢のようなぬくもりのある空間でした・・・!

《Otaru Ocian - 潮》というペンダントを購入したのですが、同じ作品でも手作りなので一つ一つ違うんですよ。私が買ったのは雫形のガラスに群青や青が渦巻いていて、銀粉が飛沫に、気泡がそこから上がってくる泡に見えて本当に素敵!駅からは少し遠いけどオススメです。

 

そしてまた運河と旧手宮線周辺をぶらぶら。

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オルゴール館。小樽は素敵な建物が多い

 

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なんと駅まで残っている旧手宮線!色内駅だそう

 

そうこうしているうちにぼちぼち空港へ向かう時間に。帰りは函館本線に乗ります。

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レトロな小樽駅ホーム

人が映り込んでる!と思ったら小樽駅の4番線ホームは石原裕次郎さんがロケで降り立ったことから「裕次郎ホーム」と呼ばれているらしく映り込んだのは等身大のパネルだったみたいです。よく見たら柱にも裕次郎ホームって書いてある。

 

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4番線の「4」はヨットに!

 

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ホームから構内を見下ろせる窓にはランプが沢山つり下げられていてロマンチック

 

で!もし小樽~札幌間の電車に乗る機会があればぜひ車窓に注目してください!できれば快速エアポート(通常運賃で乗れます)のボックスシートで、札幌行きなら進行方向左側、小樽行きなら進行方向右側の席に座ってください。

小樽築港銭函間で石狩湾沿いを走るんですが、海の真横を走るので眺めがいいんです!北の海、って感じの荒々しくかっこいい海が見えます!本当に痺れるほどのかっこよさ!オススメの車窓です。

 

今回は普通列車に乗ったので1時間~1時間半くらいで新千歳空港に到着。お土産を買って、さよなら北海道。

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どうしてもロイズに目がいってしまう

離陸時に見えた夜景がめちゃくちゃ綺麗。

成田までは1時間半のフライトでしたが気持ち悪くなっちゃいました...。

 

 

たぶんこの旅でまた日本縦断への思いが強くなったのかなあと。

今年も11月が近づいてきて、正直またフェリーで北海道へ行きたくてうずうずしてます。

船旅は、海の真ん中にぽっかり浮かんでんのは不思議だなあとか、このまま船が沈んでも海の一部になるなら悪い死に方じゃないかもなあとか、とにかく周りは海だけで船の進む音と波の音が聞こえるくらいで時間も余るほどあって、考え事したい時とか何かリセットしたい時にはいいんじゃないでしょうか。独特の旅情と世間から隔絶された感が良い。

死ぬまでに一度は船旅、ぜひおすすめしておきます。

 

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家宝